伊豆のホテルの
大きな窓から、
一日中海を眺めていた。


   こんなにたくさんの塩水
   一体どこから


   あの遠くの沖に見える岩
   潮に溺れてしまいそう


波に濡れた砂浜には
ぺちゃりと音がしそうな足跡
五月の海はまだ少し冷たいだろう


   あの波の一滴になれたら
   あの砂の一粒になれたら


   潮風に揺れる松葉になれたら
   松葉を揺らす潮風になれたら


数えきれぬ自然の色彩に囲まれ
僕はいつまでも息ができず
そうして僕ひとりだけが
誰にも見えない無色になってしまった








追記‐‐‐‐‐‐‐
静岡っていいところですよね。大きいし。
僕は泳げないのですが、海を見るのはとても好きです。
見るのは、ね。