ぼんやりと薄日のぼり
きりりと冷えた窓を開ける
流れ込む金木犀の香り
僕をかすかにふるわせる凛とした朝


日が昇り天は気を失うほど高く
まばらにちぎれた無数の雲 そのひとつさえ掴めそうにない
むせ返るような原色の日々はすでに消え去り
すっかり色の抜けてしまった水色の空


瞬きする間に日は傾きそして朱く
すべてのものがじんじんと照らされている
その中にとんぼを追うひとりの子ども
遠くまで来すぎて帰り道を失ったいつかの僕













追記‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
秋、もの悲しい季節ですね。
まだ夏も来てないけど秋が恋しくて書きました。
金木犀の飽きるような香り、かぎたい。